古代のキャラクター? 謎の多い「亀石」
明日香でも人気の高いのが「亀石」。
観ているとなんとなく愛嬌を感じます。
かつては路傍の石よろしく、道端にちょこんと置かれていて、それが子供心になんとも味があったのですが、その後、“これが亀石でござい”とばかりに柵ができたり、コンクリで固められたりを経て、今ではせせこましいスペースに押し込まれています。
しかも真横には「売店?」のようなものが作られていて、亀石のほうが付け足しにすら見える次第。
いやはや…いくら予算があるからと言って行政の方も、あまり無茶しないように。
そうそう、傍の道路にも変な汚れた地下道があって風情は台無しの声もあります。
とは言え、亀石自体は静かに時を過ごしています。
有名な亀石伝説では、かつて奈良盆地が湖であった頃(そんな太古ではありません 万葉集の時代にそんな歌が遺されています)対岸の當麻の蛇(へび)と川原の鯰(なまず)が闘い、蛇が勝ち水を吸い取られてしまった川原辺りでは水が干上がってしまって、湖の亀がみんな死んでしまいました。
それを哀れと思った村人が「亀石」を造って供養をした…。
とか、亀石は最初北を向いていましたが、次に東を向きました。
そして今は南西を向いていますが、次に西、つまり當麻の方角に向くと奈良盆地は洪水に見舞われる…などがあります。
亀の方角が何かを象徴しているのか、或いはタイマーのような役割をイメージしているのかは不明ですが、伝説の多い巨石にはちがいありません。
しかし、科学的に検証をすると、形としてもこれはとても亀の特徴をとらえておらず、むしろ蛙のほうが近いとか、表面の傷…。
例えば向かって右側には明らかな石矢の跡があったり、何らかの作為的なものの痕跡があります。
これが最初からあったものか否かには、永久に答えは出ないかも知れませんが、石槨(せっかく ※棺を納める部屋)が何かを造っていた途中で止めたとか、或いは長年の間に何らかの形で地表に現れたという可能性もなくはありません。
近くには鬼の雪隠といって、同じようなものがあります。
でも、本当になんとも愛らしいのが亀石の売り。
まあ古代のキャラクターでもいいか!っと思って巡るのも一興かも知れません。
住所 | 〒634-0141 奈良県高市郡明日香村川原108 |
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HP | https://asukamura.jp/kids/midokoro_sekizobutsu.html |
34.4711265 135.8093977