2月の第一日曜に子孫繁栄の奇祭「おんだ祭り」が行われる「飛鳥坐神社(あすかにいますじんじゃ)」。
祭りの日は狭い村内が大混雑するのですが、その日以外は、「そこに居てます?」と聞かなければ分からないくらいひっそりとしています。
随分前のことですが、この神社の当主は86~87代目だと聞いたことがありますので、一代平均25年としても2100年を越えます。しかも驚くべきことに今でも神主家だけで管理していて、氏子がいないのだそうです。
年に一度の奇祭「おんだ祭り(御田植祭り)」については、年中行事で解説していますが、要は子孫繁栄の模様を神前で“奉納”する祭りです。
それもかなりストレートな表現ですので、恥ずかしがり屋さんは目のやり場に困るかも知れません。
なにより行事の個々の名称に「汁かけ」とか「種付け」、紙で「福の紙」なんてあるのですから。
しかし真面目に云うと、この神事で神主は神の代理人とあり、西洋で言うイミテーション・マジックを行うのでしょう。
「おんだ祭り」は「御田植」ですが、それを人間の行為で願う古の人々の呪術です。
それを代々この神社の神主は見守り続けてきているのですね。
古代の人々は自らの性的な行為を持って、食物の増産を願う風習がありました。
奈良に遺されている風習の多くは、例えば「とんど」の時に使う藁で作った大きな男女の象徴を使ったりしているのも同じ理由です。
静かな飛鳥坐神社は神奈備かと見紛えるような小さな丘の上に鎮座してますので、すぐに本堂までたどり着きます。
古いながら張り詰めた空気は日本の原風景をずっと維持し続けてきた思いのなせるものだからでしょうか。
境内内の其処此処には、陰陽石(男女の性器をかたどった石)がありますが、威厳に満ちたタイムカプセルのような風景がそこにはあります。
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おんだ祭り(飛鳥坐神社)
2月第1日曜日に飛鳥坐神社(あすかにいますじんじゃ)で昔から静かに、且つ着実に行われてきたのがこの「おんだ祭り」です。 静かに行われてきたのには意味があります。 「おんだ祭り」とは「御田植祭り」のこと …
住所 | 〒634-0103 奈良県高市郡明日香村飛鳥708 |
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34.479735 135.82273540000006