三枝祭(さいくさのまつり)は、「ゆり祭り」と言う美しい別称があります。
率川神社(いさがわじんじゃ)の御祭神、神姫蹈韛五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)がもともと大神神社のある三輪山の麓、狭井川(さいがわ)のほとりに住まわれていて、その付近に「笹ゆり」が咲き誇っていたことに因んでつけられた名称です。
三枝とは百合のことで、“さきくさ”と言う音に通じます。
確かに百合の根は薬ですので“幸せを与える草”との意識に繋がるのでしょう。
ですので三枝の祭りの起源も古く、文武天皇の大宝元年(701年)制定の「大宝令」には既に国家の祭祀として規定されていて、大神神社で行われる鎮花祭(ちんかさい)と共に疫病を鎮めることを祈る由緒あるお祭りとされています。
後世にご祭神にお慶んで頂けるよう酒罇に笹ゆりの花を飾っていますが、社殿は三棟あり、中殿には先の姫蹈韛五十鈴姫命(神武天皇の皇后)が、右殿に父親の狭井大神、左殿には母の玉櫛姫命(たまくしのひめみこ)が祀られ、両親が子を守る姿として地元では馴染みが深い神社です。
祭りの当日は、4人の巫女がゆりをそれぞれの手に持ち、優雅な舞を披露します。辺りに漂うゆりの花の香がなんとも豊かに感じます。
最後に参拝客に飾られていたゆりが授けられますが、終了後、ゆりを手にして帰途について人の流れがなんとも言えず心癒されます。
開催日 | |
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場所 | 率川神社 |
住所 | 〒630-8231 奈良県奈良市本子守町18 |
HP | http://isagawa-jinja.jp/omatsuri/saikusa/ |
34.681268 135.825729